「ドラマのお手伝い」

4月11日からスタートしたテレビ朝日の木曜ドラマ、緊急取調室はテレビドラマのシリーズで毎回色んなジャンルの職業を題材にしているのですが、将棋の女流棋士が登場する回のお話を頂きました。

「ドラマに出てくる局面の棋譜を作ってください」というのが今回ご依頼の内容。

途中から手つき指導、和服の所作、更にエキストラなど...と、時間が迫れば迫るほど、私の作業も増し増しに(汗)

普段と違う予定と現実のお仕事のギャップに戸惑い、これがドラマの現場か~。?と頭に疑問符を付けたまま現場へgo!

実際、ドラマのスタッフさんも「・・・・やべぇ。」と漏らす程だったので、やはり、これが通常営業ではないのか?!と引き受けたのを軽く後悔しながらも、そこは女流棋士の意地といいますか「指した手が最善手」だと、滅多にない経験を今後の力に変えるべく、現場の空気を沢山吸っておきました。

さて、現場での撮影はどんな感じだったかというと。

まず将棋エキストラの1日は早い!朝6時前に集合→他のエキストラの皆さんとロケ車へ乗り込み静岡へ。

撮影場所は某旅館。

旅館と言えばお風呂がつきもので。どんなお風呂なのかな~と少しワクワクした気持ちを胸に足を踏み入れると、着いて早々に支度してそこから丸一日かけた撮影が始まりました。

私は盤面や大盤の局面が正しく作ってあるかチェックをしたり、俳優さんのお芝居を見学したり、待ち時間は、エキストラさんとお話もしたり。

印象的だったのは、主演の天海祐希さんが発した静かな一言。

撮影を終え、旅館の網戸を元に戻すのに手間取っていたスタッフさんを見て

「丁寧にね」と一言。

それも聞いた私も背筋が思わず伸びました。

お借りした旅館を撮影用にあれこれ準備するのはもちろんですが、その備品をきちんと元に戻すまでがスタッフさんのお仕事。

言葉でいうだけではなく、片付け作業するスタッフさんを見守る姿はまるで現場監督のようなかっこよさがありました。

将棋エキストラというポジションな私にも「遅くまでありがとうございます」と深々とお辞儀してくださったり、自分だけでなく、周りの人にも気を配ってくれる姿に、一緒にお仕事出来た事が嬉しくなってしまうのは、流石スター!!

女流棋士役の紺野まひるさんは手つきも事前に練習してくださったのですが、まだポテンシャルがあるだろうと「微妙...でも、いいですよ?」とおずおずOKを出すと

「もう一度やらせてください。」

と、何度もトライするプロ根性を見せてくださいました。

綺麗なお顔立ちなのに、中身は少年ジャンプの熱血少年。

より上を目指そうとするプロ意識の高さを目の当たりにしました。

こうして、撮影が終わるころには夜も更け、日付が変わる少し前にロケ車で渋谷に戻り、終電ギリギリで帰宅しました。

こうして朝から晩まで撮影して、それでも使われるのは冒頭の数分だけです。ドラマは、1シーンの数秒を撮るのにカメラを何度も回して同じセリフを多角的に映像に残し、その中から一番いいシーンを集めて1時間以内にお話を詰め込みます。

この現場は好きでこそこなせる。そんなハードな現場だなぁ。

と、しみじみ感じました。

でも、ひたむきな努力をコツコツ続けて最善手を探し、一本の道に結びつける作業。勝負こそつかないものの、将棋と似ていなくもないかな。とも思ってみたり。

余談ですが、最後に、お風呂に入る時間くらいあるよね。なーんて期待していた私が愚かでした。そこはもちろんそんな時間もなく。鞄の中のお風呂セットは出番を迎えることなく帰宅したのでした・・・。

そして私は普段のお仕事がいかに恵まれていることか、改めて将棋界に感謝を深めました(笑)

とにもかくにも、将棋がご縁で「ドラマの撮影現場の一日体験」といった非日常を味わう事ができました。出演者の方々を含め関係者の皆様、ご視聴くださった皆様へ感謝しつつ最後に番組を宣伝させて頂き、このお話を終えたいと思います。

木曜よる9時は、テレビ朝日で『 緊急取調室』宜しくお願いします!!!

女流四段 竹部さゆり

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