記録係りをしていて感じたこと

記録係を務めて、何が一番幸せかと申しますと、棋士のカッコいい姿を特等席で観戦出来ることです。

朝の開始やお昼休憩で、たまにお見えになる見学のかたもいらっしゃることはいらっしゃるのですが・・・。

当初は正座をして対局者の入室を楽しみにお待ち頂いております。
開始前に両対局者が入室すると、独特な部屋の空気に息苦しくなるようで...。だんだん顔色が青くなり開始2分過ぎた頃には「もう、いいです」とばかりに逃げるように部屋から出ていかれるご様子。準備を整えながら、なんとは無しに眺めております(笑)
もちろんですが、対局は、基本的には一般公開しておりませんが、何かの機会で、もし、見学にいらっしゃる時はこの部屋の空気を吸いに来たんだ!位の気持ちでお越しください。
私の記憶で最初に見たプロの対局姿は、アマチュア時代。
中村修先生と、現役の奨励会員が「模範対局」をするのを間近で見る機会がありました。
そちらを丸々一局見学してから指導を受ける会があり、模範対局だけ見せて貰おうと知人に連れて行ってもらった所で、指導の時とは異質な棋士の迫力を体験できました。
その後は、奨励会員や女流棋士になると、将棋会館の対局室に入室してもよくなります。
初めて大広間に入った時は「この雰囲気、好きだな~。ずっと居たいな~」と隅っこで正座しておりました。
その時幹事だった中村修先生(先生、ご縁があるなぁ)が「こらこら、対局者が集中しているんだから邪魔しちゃダメでしょ」と退出を促してくださりました。
今思えば順位戦を正座とはいえ、寛いで観戦とは何事でしょうか。
対局にかける想いは想像を絶する事や、それを決して乱してはならない事を、昔の自分に説教したい気持ちです。
その日は帰りがけも、性懲りもなくまた見てから帰りました(中村先生の目を盗んで行きました。本当にすみません)...。
弟子の不始末はあとで師匠に話が行くわけですが、その時は師匠に叱られず、楽しそうにアハハと笑われたのような。
「君らしいな」と、大らかな時代だったのでしょう。

さてさて、話が脱線したので戻しましょう。

記録係は存在するようでしていない存在。空気と一緒です。
でも空気のお仕事は、結構ボーとしてると疎かになるので注意が必要です。時間を忠実に記し、棋譜を忠実に記し。盤面に没頭し過ぎないようたまにお茶を替えたり。ここら辺は、何だか楽しいです。

何よりずっと座って観てても叱られません(笑)
歴史を作る棋譜が生まれ、未来につながる手順が生まれる瞬間に立ち会うこともあるのですから、勉強になること間違いなしです。
そして感想戦も、新聞や記者の方が紙面の関係で載せなかった変化等も記録係は見られるのも利点です。
一番は、真剣に戦う棋士を見て自分もと、励みになることでしょうか。
とはいえ、正座や魔の時間帯(お昼過ぎ)や間違えて書いた時の書き直しさえなければ、お金をいただけるし~な、パラダイスなのですけれど。

女流三段 竹部さゆり