回廊書店

回廊書店

本屋をぐるぐると歩くのが好きだ。

無防備に飛び込んでくるタイトルの数々、そして個々の装丁を見ながら、たまについばむように手に取ったりして

ひたすらぐるぐると歩く。

よく行く本屋は円形状で、行っても戻ってこずに、もう一周してしまえば振り出しに戻るのがまたいい。

定期的に足を運ぶというか、給水所のような場所。

昨日もそこへ行き、何周したかは忘れてしまったけれど、沢山本を買った。珍しく、小説は買わなかった。

本にも色々あるけれど、たとえば「何かが起こる本」と「何も起こらない本」があって

前者はミステリーとか、起承転結や感情の起伏があって

後者は日常系というか、誰かが泣いたり、怒ったり、命を落としたり、謎が解かれたり、しない。

どちらも好きで、疲れてる時ほど後者が読みたくなる。誰にも強く感情を動かして欲しくない。

移動中とか、時間を短く感じたいような時は前者。新幹線の移動中とか、犯人探しについやしたい。だいたい、降りるまでに謎解きに入る。

難しいのは、読むまでどちらかわかりにくいことだ。

絶対後者を書いてくれる作者さんを、最近1人見つけたので安心なのだけれど

何も起こらない本を読みたくて買った本、はだいたい前者だったりして引きが悪い。

穏やかなタイトルに惹かれて買ったら、その本は主人公が会社を首になったところから始まり、

たい焼き屋さんに恋をして、もうすぐ実りそうなところでその女性が、巻き込み事故に会う。昏睡状態の後、彼女は今日以降のことを記憶として留められなくなっていた。

とか。

心の移動距離が大きな文章はそれだけ心の筋力みたいなものを使うので、面白いけど疲れもする。いいのか悪いのかは別として。

写真は昨日の夕陽。

山口絵美菜