わたしの本の空白は

わたしの本の空白は

雨が降ると、本を読みます。

最近立て続けに、そして偶然に「記憶」にまつわる物語を読んでいて、

その中の一つが近藤史恵さんの『わたしの本の空白は』

近藤さんの著書は『タルト・タタンの夢』『マカロンはマカロン』の三部作がとても好きで、その流れで手に取った1冊。ちなみに前述の作品は小さなビストロで起こるちょっとしたミステリー・人間模様をシェフが解決するというほっこりしつつも美味しい作品でオススメです。

平坦な物語が好きで、誰かが強く悲しんだり、誰かがいなくなったり、そういう物語がそこまで得意じゃなありません。苦手というか、受け止めるのにエネルギーがいるというか。

ゆったりと心に染み込んでくれて、少しずつ溶けるように解釈していく物語展開が好きです。

『わたしの本の空白は』は、階段から落ちて記憶をなくしてしまった主人公が、自分の夫を名乗る人の家に引き取られて、自分の中の記憶を辿ったり、そこに隠されたことに迫っていくミステリー。

平坦な物語とは少し違いますが、「事実も小説と同じように奇なり」という感じでの物語です。

山口絵美菜