次の一手:竹部-上川戦(記:渡辺弥生女流初段)

 ここのところ将棋会館へ行くたびに記録係の仕事を終えた竹部さんにお会いする。私も記録の仕事は嫌いな方ではないが、こと記録係に関しては竹部さんの足元にも及ばない。
 先日は私の対局の記録を取っていただいた。感想戦が始まるといつもお茶を入れ替えてくださる竹部さんが、どうしたわけかそのまま戻ってこない。しばらくして感想戦もひと段落ついたころ、
「良かったらこれどうぞ」

 なんとそれは名店で買っていらした甘い甘いドーナツ。対局で疲れた両対局者が、思わず歓声をあげた。記録を取ってくださった上におやつまで出してくれて、至れり尽くせりの記録係である。
 いやしかし竹部さん。最近会うたびに「痩せたい」とおっしゃってますが、そんなにたくさんドーナツを召し上がっていいんでしょうか。ドーナツがダイエットにいいという話は聞いたことがありませんぞ。

 さてそんな竹部さんですが指し手は遠慮も会釈もありません。
 問題図は平成27年5月に行われた第5期リコー杯女流王座戦の一次予選、上川香織女流初段(現二段)対竹部さゆり女流三段の終盤戦。先手が上川さん、後手が竹部さん。薄い玉形をものともせず、ずかずかと右四間飛車で攻め込む竹部さん。上川さんも粘り強い指し回しで容易に土俵を割らない。図はその上川さんが▲5九歩と底歩を打ち、竜の利きを遮断したところだ。攻めを続ける、後手の竹部さんの次の一手をお考えください。
※ヒント:慌てず騒がず。ザ・歩の手筋。

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解答:▽6八歩。
角の利きを止める▽6八歩が好手。次に▽5九竜から▽4八銀▲同金▽3九銀を狙うのが早い寄せ。▽6八歩で▽8九竜と桂を取るのは、▲8三金と勝負される。以下▽同飛には▲5六角が飛車と竜の両取り。

女流初段 渡辺弥生